いつも事務所に殆どいることのないN氏が珍しく今日は事務所で作業をしていた。

「本見つかった?」って聞いてもらって少し話をする。

N氏がいつも行ってる鍼灸院が婦人病に効くらしい。

ふむふむ、お薬の副作用が軽減したとかってお客さんが多いんだって。

行ってみる価値ありかも!ってことで早速電話して木曜日に予約をとる。

電話した感じもかなり雰囲気良くて既に効きそうな気になってくる(笑)

そしてセカンドオピニオン探しに行き詰ってることを話してると

いつもN氏が行ってる内科の先生に医師会の評判を聞いてくれるって!

そうなのよ!そういうお医者さま同士の評判を聞きたくて産業医さんにそれを期待したのよねぇ・・・

と、暗い過去は忘れてっと

N氏はその後出かけていったのでまた次会うときに聞こうと思いながら

定時になったので帰る準備をしてたらN氏から携帯に電話があり

「今病院行ったし聞いてみたら、K病院が腹腔鏡もかなりこなしてて評判いいらしいよ」って!

おぉぉぉ、K病院なら以前にも行ったことがあるし、相方は入院したこともあるし

安心って言うのも変かもだけど、気持ちに踏ん切りがついたってカンジ。

ありがとう、N氏!おかげで十歩くらい前進したよ!!

週末は熱が出てグッタリ寝込む。

体力的にも精神的にも滅入りぎみ・・・。


16日は朝から一日ずっと勉強会だけど、朝はお腹が痛くて動けない。

お薬が効いてきた昼から出社。

椅子にずっと座るって体勢はお腹が圧迫されてキツイなぁ。

まっすぐ立つのもキツイけど、椅子に座るのもキツイ・・・。

ふと見ると、医療営業部長が勉強会に出席してるよ。

そうだ!ダメもとで休憩時間に自分の病気のことと、セカンドオピニオンを探してることを伝え

もし知り合いのお医者様に婦人科の方がいらっしゃったら教えてもらいたいとお願いする。

まぁ、もともと忙しい人で、席がすぐ傍にあったときも殆ど姿を見なかった部長だから

答えが必ずもらえるとは思えないけど、なんでもいいから今自分ができることがあれば

何でもしておかないと後で後悔したくないしね。

わかったって返事がもらただけでもよしとしよう。


今はグループが変わっちゃったけど、元チーフのN氏と少し病気の話をすると

お医者さんの評判本が結構出てるからそれを見てみたら?と勧めてもらう。

帰りに本屋さんで数冊を見たうち、婦人科がのってるのがあったのでそれを購入。

お家で研究するも、腹腔鏡のことまでは書いてないなぁ・・・悩む。

約束の13日14時に健康管理室へ行く。

待ってたのは30代くらいの女性のN産業医さんで、昨日保健婦さんと話してた経緯を再度話す。


感想:ガッカリダガッカリダガッカリダ・・・・


まったくといっていいほど話にならなかった。


「開腹手術を担当医が勧めたならそうすれば?」
  いや、別に疑ってるわけじゃないですけどその病院自身は腹腔鏡手術をあまり勧めていないよう

  だったので、腹腔鏡手術の実績のある病院でセカンドオピニオンをとって、その上で開腹手術が

  妥当だと言われれば私も開腹手術への思い切りがつくのでそうしたいのですが
「腹腔鏡手術ができるところかどうか聞いて、できるっていうところにすればいいじゃない?」

  そこは基本的にやってないようなので腹腔鏡手術ができるところをご存知だったら紹介して頂きたいと

「じゃあ腹腔鏡手術の設備があるところを探せばいいんじゃないですか?」
  (って・・・腹腔鏡手術ってかなり高度な技術がいるもんじゃないんですか?設備さえあればいいって

  もんでもないと思うんですけど・・・という言葉を飲み込みつつ)
  以前にも腹腔鏡手術ミスでドクターが逮捕されてますよね?って言ったら
「3例ありますけどね」
  (いやいやいやいや、それってニュースになった分だけじゃないですかねぇ?)
  ネットワークでいろいろ調べてみたんですけど、婦人科だと言ってもみなさん専門が別だと

  かなり知識にも技術にも偏りがあるようですしどこでも一緒と言うわけじゃないと思うんですが・・・
  それに術後のお薬の服用についても、日本って副作用のきついお薬がメインで使われますよね

  世界では普通に使われてる副作用が少なく長期服用が可能な低容量ピルが日本では認可されてる

  種類も少ないですし、使ってくれるところも少ないみたいですけど、術後にそれを使ってくれるところで

  できれば受けたいんです
「それは治験といって日本人にまだあわないから日本で認可されてないんですよ」
  いや、治験ももちろん知ってますし、現に病気に関係なく低容量ピルを使用し続けてると

  子宮内膜症の発生率が低いって日本での統計もでてますよね?
「お薬の認可については厚生省なので私は知りません」
  ・・・・・・・無言で固まる私・・・・・・・・・・・・
  (沈黙の後、思い直して) 

  えっと、私は婦人科で腹腔鏡手術を多くこなしているお医者様を知りたいんです
「私は婦人科ではないのでしりません」(即答!)
  ネットワークで勉強しできる限りのことは調べたし、腹腔鏡手術の認定医のリストも見たんですが、

  人数もすくないし、認定医が必ず良い医者とはかぎらないですよね?
「ネットワークでお調べになったなら私より詳しいでしょう」

  ・・・・・・・再度、無言で固まる私・・・・・・・・・・・・
「専門書とかも全部読まれたんですか?」
  いや、専門書は1冊10万とかのが数十冊あったのでそれは無理ですが、内容についての要旨を

  NPOがまとめてたものは全て読みました
「NPOですか~(ちょっとこばかにしたような笑い)」
  いやそのNPOは低容量ピルの認可のために動いてますし、通常のNPOとは違いますよ
「じゃあ医学学会とかの内容はご存知ですか?」
  それは知りませんけど・・・
「私も知りませんけどね」
  ・・・・・・またまた固まってしまう私・・・・・
「担当医にきいてみるのがよいでしょう」
  わかりました、もう少し自力で探してみます・・・
 

いくら言っても無駄なのであきらめて帰る私であった・・・。

ちょっと期待してただけにあまりにも大きな空振りにかなりショック。

このまま検査結果が出るまで2週間じっとしておけってことなのだろうか・・・。

はてさてどうしたものか・・・ふぅ、振り出しに戻る。

検査の翌日も痛みや気分の悪さが抜けず休んでしまう。

きっと病気の告知に精神的ショックを受けてたこともあったんだろうな・・・。


お休みした日はネットで「子宮内膜症」「卵巣嚢腫」についてお勉強しまくる。

わかったことは、

 ・手術の方法として勧められた開腹手術以外にも腹腔鏡下手術もある

 ・腹腔鏡手術だと2週間ほど、開腹だと3~4週間の入院期間が必要

 ・腹腔鏡手術だと体の負担が開腹より少ないので早く退院でき、早く元の生活に戻りやすい

 ・開腹手術は退院しても今まで通りの生活にすぐに戻れるわけではない

 ・腹腔鏡手術はかなり技術が必要なのでどこでもできる手術ではない

 ・腹腔鏡手術の失敗で亡くなっている人もいる

 ・腹腔鏡手術だと手術内容が全てビデオで記録され終わった後それを見ながら説明してもらえる

 ・オススメの病院や先生というのは結構のっていない、しかも婦人科は全然みつかんない

 ・術後に使うお薬によってかなり副作用がでる

 ・低容量ピルが副作用が少ないが、どこの病院でも使ってくれるわけではないらしい

 ・宇多田ヒカルが2~3年前にかかったのが同じ病気だった

 ・宇多田ヒカルは術後の薬の副作用で再入院している

 ・子宮内膜症は全摘するか閉経しない限り完治する病気じゃない

 ・手術で摘出した後もお薬で抑えたり、また大きくなったら再手術を行うらしい

 ・できる場所によって卵巣全摘出の必要があれば今後妊娠できない

などなど

はて、検査結果がでる2週間後まで一体どうすればいいんだろ。


翌12日、出社して会社の健康管理室へ相談に行く。

明日、産業医の先生(阪大系)が来られるからセカンドオピニオンを紹介してもらえるように

話しておいてくれるとのこと。

自分で調べても限界があったので、それを聞いて少し気持ちが落ち着く。

よかった。

いいお医者様を紹介してくれるといいなと思いつつ、定時まで仕事をして帰宅。

すると仕事が休みだった相方が石切神社に行ってお百度参りをしてくれていた!

石切さんはデンボ(できもの)の神様なのでガンだとか腫瘍の人達が沢山お百度してるらしい。

お守りも買ってきてくれていたので、早速患部にナデナデナデナデ・・・

この思いに応えるように頑張って病気と闘うぞーっと!

そして5月10日、痛みと気持ち悪さで会社を休み、意を決して婦人科へ。

家から歩いて行ける距離にあって結構大きめの病院Y


もともと母親も子宮筋腫で子宮全摘しているし、母親の姉妹達も子宮筋腫だったというのを聞いていたし

姉妹の中でも私が一番母親の体質に似てるからきっとなるんだろうな~と漠然とした思いはあったものの

出産経験のない私はなかなか勇気がなく婦人検診に行ったことがなかったため、この時に婦人科初体験


紹介状もなく、予約もない私は1階で外来受付を教えてもらい案内されるまま3階の婦人科へ向かう。

びっくりした・・・。

婦人科ってこんなに患者さんが多いの???

隣が産科だったこともあり、まわりは女性、女性、女性!これでもかってほど女性天国!

20人以上は座ってたんじゃないかなぁ・・・いや、もっといたかも

婦人科の受付で1回でもらった黄色いファイルを渡すと「先生の希望はありますか?」と聞かれる。

なんて応えていいのか分からず困ってたら受付の女性の手に【女医希望】という札を発見。

思わず「女性の先生でお願いします」と言うと慣れた様子でファイルに【女医希望】札を貼り付けてくれた。

予約のなかった私は2時間くらい待ったと思う。

呼ばれて診察室に入ると私とそんなに年齢がかわらないんじゃないかなというS女医さんが中にいた。

生理が終わったのにお腹のハレや痛みがひかない事を伝えると下半身のみ脱ぎ椅子に座るよう言われる。

隣の診察スペースでジーンズとパンツを脱ぎおいてあった椅子に座る。


これはあくまで私のイメージだったんだけど、なんか足をグワーンと開いて半分倒れたような椅子に

最初から座らせられるもんだと思ってた。そしてカーテンがあってその向こうはこちらから見えず・・・

ドキドキ・・・ビクビク・・・


全然違った。

普通の椅子でウィ~ンって徐々に倒れつつ、足が開いてくカンジ。

そしてカーテンもそんなに大きいものでもなかった。

最初は少し指で痛み等を確認された後、棒状の超音波エコーを中に入れ、画面で説明を受ける。

「あぁ、腫瘍がありますねぇ・・・これ卵巣なんですけど、左は普通ですけど右はこれ腫瘍ですね

うーん、かなり大きいですねぇ」

下からだけだと見えないくらい大きいらしく、お腹からも超音波エコーで確認。

「これも腫瘍ですね、いくつか部屋が見えますねぇ、これは多分子宮内膜症の右卵巣嚢腫でしょう」

診察が終わって服を着た後で、説明を受ける。

子宮内膜症とはどんな病気か?私の場合は右卵巣にそれができていて基本的に子宮内膜症は良性だけど、他の臓器との癒着などを考えると臨床的には悪性なのだそうだ。

卵巣嚢腫の中身も、脂肪がつまっている奇形腫、粘液が入ってる粘液腺腫などあるみたいで

私のはたぶん古い血液が詰まったチョコレート嚢腫だと思うけど、開いてみないとわからないらしい。

そして通常3cmくらいでみつかることが多いらしく、6cmを超えると破裂の恐れがあることや大きくなるほど

癌化することがあるので手術を勧めるらしいが、私のはなんと16cm×8cmくらいあるそうだ。

デカッ!

取りあえず精密検査を受けることを勧められ、無理を言って今日アキがないか聞いてもらうとたまたま

MRIにキャンセルがでたらしくそのまますぐに精密検査を受ける。

少し待って再度診察室に戻って出来上がりホカホカのMRIを見ながら説明を受ける。

うっわ・・・

でっかっ・・・

自分でもひくくらい大きな白いものがお腹のど真ん中に陣取ってる。

ナンダコレハ?魚の浮き袋かと思ったよ・・・

輪切りににした物には背骨の前はほぼ腫瘍のみ、縦に切ったものには子宮や膀胱を押しつぶし

お腹の殆どを占める腫瘍が写っていた。

こりゃ痛いわな、辛いわなと自分の我慢強さを称える。(鈍感なんじゃ?というツッコミはなしで)

さて、今後どうしたらいいのか先生と話す。

今日の精密検査の結果が2週間後に出るのでその時にここで手術を受けるのかセカンドオピニオンを

紹介するのかといったことを話合いましょうと言われ、25日に結果外来の予約を取って帰宅。


取りあえず私にとっては婦人科初体験は何も怖いことはなかった。

何を怖がっていたのかと思うくらいあっさり終わったよ。

もちろんそれが女医さんだったり、ハキハキしていながらもほんわかしたS先生だったという事もあるだろう。

こんなことならもっと早く見てもらえばよかったよ・・・とお決まりの後悔はこれ1回だけにする。


まとめると

5月10日の検診の結果、子宮内膜症の右卵巣嚢腫のため、開腹による腫瘍摘出手術をすすめられる。

相方にはMRI待ちの間に子宮内膜症って言われたことと精密検査を受けることをメールで報告し、

お家で手術や入院が必要だってことを伝える。一応、My実家にも電話して母親に伝えておいた。

私が始めて婦人科に自ら出向き、病気の告知をされるまでと、それからの日々を綴りたいと思います。


女性なら月に一度のアノ時期はほんとにブルーな気分に覆われ、色んな症状に悩まされている事でしょう。

私の場合、

 ・始まる前の情緒不安定(まぁ抑えられる程度だけど、やっぱりいつもよりイライラしてると思う)

 ・始まる前に便秘→始まってからは下痢を繰り返す

 ・お腹のハリと胸のハリ(お腹がはってるからそんなにお腹が減らない、胸は当たると痛い)

 ・腰が重~くだる~くなって痛い(どんよりとしただるさに常時襲われる)

 ・きつい生理痛(寝込みます)

などなど

学生の時はそこまできつくなかったような気がするので年を追うごとに辛くなってきてると思います。

今のお仕事先では「その他の休暇」と言う名の生理休暇(最大3日まで)が与えられてるため、

お薬が効かなくなるくらい痛みがひどい日はお仕事をお休みしていました。

女性でも痛みには個人差があるため、ましてや男性にこの痛みや苦しみはなかなか分からないようで

お休みした翌日は毎回課長(男性)にわざわざ会議室に呼ばれ、何故休むんだ?いつからだ?などと

セクハラとも言えそうな質問攻めにあうのでした。

それがイヤな私はできる限り痛くてもこらえて仕事に出るようにしてたんですが

昨年そういったことなどが重なって体調を崩しまとめてお休みしてしまったこともあり、

復職してからは今まで以上に痛みを増してきた生理痛もなんとか気合で我慢していました。

そしてGW前の4月26日に生理が始まりました。

丁度事務所の引越しがあったため、荷物を詰める必要があり痛みをこらえて出社しました。

その時はまっすぐに立って歩くのも少し辛く、歩くとお腹に響く状態でした。

そしてそのままGWへ突入、もともと予定がなかったためゆったりとお家で過ごしました。

しかしGWも終わり、生理ももちろん終わったのにお腹のハリはひかないどころか大きくなってる気がするし

痛みもじんわりだけど相変わらず残っています・・・。

なんだろう、なんかおかしいぞ?

お腹のハリは太ったとかビールの飲みすぎとかのような柔らかいものではなく

触ると硬く、皮膚のすぐ下に何かあるぞという感覚なのです。

今までとは違う何かがお腹のなかで起こってるというのを感じ

このとき初めて病院に行くことを少し考え始めたのでした。